学校法人日本医科大学
日本医科大学 脳神経外科学教室 Nippon Medical School Department of Neurological Surgery
前部長のつぶやき

コロナとの戦い

「コロナとの戦い」と言っても、よく感謝されている医療関係者として最前線に立ってたたかっているというものではなく、自分の感染との戦いのことである。

    先日コロナにかかってしまい10日間の自宅待機を余儀なくされた。その時に思ったことをお話したいと思う。その間、教室の先生方には、外来や手術の調整、代理、また濃厚接触者調査など大変ご迷惑をおかけしました。申し訳ありませんでした。

    まず率直な思いは:

「2020年初頭にコロナの流行が始まったとき、あんなに不気味で、さまざまな大切な人たちの命を奪ったCOVID-19はどこに行ってしまったのだろう。」

ということです。

今回は妻が私の1日前くらいから具合が悪くなり、私も1日遅れで具合が悪くなったのですが、症状はまず:

  1. 激烈な喉の痛み(これは普通の風邪ではここまで痛くないくらい痛い)、2)声の掠れ(ガラガラ声になる)、そして3)咳(気管支がイライラする感じ。肺には行かない)、4)体のだるさ(やる気が起きない)です。

熱は微熱程度で一晩でるか出ないかです。妻は2日ほど出たようです。息苦しさとかはほぼなく、体がだるいのでまともな仕事には数日間ならないが、筋トレでも無理してしようと思えばできないことはないという感じです。

ただやはり以前のコロナの怖い話を聞いているので、ややびくつきながら生活しているので、おとなしくしていようという感じになる。でも私は命より大切な「食欲(香りの欲望)」があるので、毎日欠かさず料理はして、匂いがしっかりすることを確認はしていた。

この軽微?になった症状、肺炎にならないで済んだのは、ワクチンのせいなのか?またはコロナ自体が弱毒化したのかは、私には判定は難しい。

また、この厚すぎる医療体制(HERSISに登録すると、毎日登録してくださいというSMSが届き、またその30分後にはそれを元にかかりつけの看護師から確認のTELがある)はそのように驚かせたウイルスへの恐怖心をかなり和らげる効果はあるが、やや形式に過ぎなくなって、実際に具合が悪くなったらどうなるのかな?という感じはある一方、本当にこんなに厚い医療がいるの?と疑問に思う。安心は安心だが。

私は薬は手持ちの熱冷ましとかあるので、大丈夫と言っても、リモート処方した解熱剤、喉の炎症を抑えるトラネキサム酸が処方され、送られてきた。

トラネキサム酸はよく我々が術後の止血に使うトランサミンと同じもののようだが、喉の炎症や湿疹など白血球による炎症を抑える作用があるらしく、セデス以外でこんなに効果のある薬は初めて経験した。自然回復なのかもしれないが、飲み始めて1日後には喉の痛みがほぼ消えました。

それやこれやするうちほぼ72時間がすぎると、症状はまるで潮がひいいていくように「サーーーー」と良くなってゆく。これもなかなかこのような潮引きのような症状の自然治癒を経験したことは少ない。

要はコロナは「普通の風邪」となったと思って良いと考えている。

先日SWISSからvisitしてくれていた脳外科医は、SWISSではオミクロンはいいやつ!なので、これはできればみんなが罹患して免疫をつければ良いので、これを対象にしたワクチンは打つべきではないというのが、国の主張だそうである。

日本の今のコロナ体制は、いつまでするのか?加藤厚生労働大臣が5類への格下げを検討しつつあるということであるが、専門家の意見とのすり合わせ、内閣での意見調整など難しいのかなと感じる。年明けくらいまではこの体制が続きそうではあるが、もう少し感染の専門の先生も誰かや自分に忖度したような曖昧なことばかり言ってないで、はっきりものが言えないのかな。。。と感じます。東京大学医科学研究所の河岡先生のグループのハムスターモデルでの研究では、オミクロンでは優位にデルタ株より病原性は弱く、呼吸器感染症も少ないという。こんな客観的なデータがあるのに、よくテレビで出てくる感染症の主任教授、、、たち、、、いつまで話を引き伸ばすのでしょうか?

医療は不確実なもの。という常識は踏まえつつ、確かにいつかまた凶悪なウイルスに変化するのもあるのかもしれないが、基本的にウイルスは宿主と共存しなければ自分達も生き残れないわけだから、SWISSの受け売りだが、せっかく良いウイルスになってくれたのだから、それに生き残ってもらって共存の道を探るのが良いのではないかと思う。

そんなことを考えている。

さて、今年も年末になってしまいました。同門会もちょっとこの時期に開催は憚られるということで、延期になってしまいました。

この一年を振り返ってみると、私は今年が日医での最後の年なのですが、お恥ずかしながら、どうも自分の命の危機を感じることばかりあったように思います。5月には新潟で大怪我をしてしまいました。以前髭をはやしてましたが、髭面が傷の手当てに差し障るので、髭を剃ったのもその頃です。携帯とメガネを無くし、今の自分たちは携帯がなくなると、ほぼ「自分は誰?ここは何処?」状態になってしまうということをつくづく感じました。またメガネもなくなると、視界もぼやけるので、頭までとろんとした感じになってしまいます。この惨めさと、悲壮感は「死んだ」と思った瞬間でした。警察に届けに行っても、なんだか全くレトロで、だらだら調書をとるだけで、試しに携帯にかけてくれることもせず、DOCOMOの今どこサービスすら使ってくれません。本当に日本はアナログだな、、と痛感します。自分のコンピュータから今どこサービスでほぼ100m の枠内にある場所が特定できて、なんとか携帯を回復できました。血だらけ、、、の携帯をコンビニのお姉さんが渡してくれた時の自己回復感!すごいです。

それともう一つの大きなeventは数ヶ月前に書かせていただいた、39-40度の発熱と無尿です。今の時期発熱があると、どこの医療機関も救急でとってくれません。そして自分は間違ってどんどん水を飲み、、膀胱が破裂直前まで行ってしまいました。なんとか現在は前立腺内核切除を経内視鏡で行い、尿の出はよくなっています。ちゃんと尿の出ること。健康が大切だとつくづく感じます。

来年は新しい年となり、私は今とは違う人生を歩むことになると思いますが、なんとか大きな危機のない一年としたいと思います。またやり残している仕事も山のようにあります。ラストスパートですが、頑張りたいと思います。

みなさまにおかれましては、年末のご挨拶はできませんが、お元気で良いお年をお迎えください。

こちらは先日の皆既月食の写真

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