学校法人日本医科大学
日本医科大学 脳神経外科学教室 Nippon Medical School Department of Neurological Surgery
前部長のつぶやき

呼吸法

どこもかしこも「平成最後!」の謳い文句で始まった一年ですが、はや1月経ちました。

皆さんは、新しく始まったこれまでとは趣を異にしたNHKの大河ドラマ「いだてん」はご覧になられているでしょうか?時代劇ではないので、これまであまり大河には見向きもしなかった妻もみ始めております。宮藤さんの脚本が軽快で、時代が明治と昭和を行き来して、なかなか最初は戸惑いました。ビートたけしと森山未來が演ずる古今亭志ん生の入れ替わり立ち替わりのナレーションも妙です。

さてその中で、現主人公の金栗四三(日本最初のマラソン選手)が、母親の出産の際にそれまで不得意だった走る際の呼吸法を身につけたところがあります。

それが今日の主題です。金栗は熊本の田舎の生まれで自宅は旧家で、そこから学校まで10km近くを毎日走って通学したそうです。ただ最初は非常に遅くて、皆の足手まとい。でも呼吸法を学んでからは疲れが出なくなり、誰よりの早く走れるようになったとのこと。

その呼吸というのは よくお産婆さんがやっているあの「ひっひっ、ふうーー〜〜〜」。そこから金栗は 「はっはっ フッフウー〜〜〜—」という呼吸法を見出したそうです。

以前(2016年8月)この記事に瞑想のことを書きその際も「調息」が重要なお話をしました。その際は3−2−5のリズムが大事とのことでした。呼吸は瞑想や思考だけでなく、運動でも極めて重要なようです。

皆さんは筋トレで息を吐く、吸う に注意されると思いますが、それも同様です。一番いけないのが、息をこらえることのようです(止めるではありません)。息をこらえると邪気が溜まると考えてください。

さて私は年末に宣言しました通り、昨年末から禁(節?といった方が良いか)酒・節食を始めているわけですが、ほぼ毎日大学へは2kmを歩いて通っています。その際にその呼吸法を取り入れたわけですが、これがなかなか優れもので、約500回繰り返すあたりで病院につきます。疲れもほとんど(まあこんな短い距離ですから当たり前ですが)ありません。またこれも瞑想のところで書いた「調身」にもあった丹田に緊張感を持たせて歩くようにしています。これは先日巨人の上原さんが取材されている時に運動に取り入れていると言っていました。

また、この乾燥した東京では、朝口呼吸で歩いていると喉がカラカラに乾いてしまいます。そこで鼻から吸って、口から吐くという呼吸法にしたら、これがぴったりで、全く口は乾かなくなりました。鼻の吸気の湿潤効果というのを改めて自己認識しました。口から息を吐くのは、鼻水が垂れないようです。ここのところ花粉が飛び散っておりますので、花粉症の季節で、鼻から息を出していると、病院に着く前に何度鼻をかまないと行けないか?状態になってしまいます。

呼吸がこのように色々なことに影響するというのは、最近色々気づくことがあります。学会発表の時の間の取り方。患者さんとの話の仕方。手術の時の操作時の呼吸リズム。

昔の話ですが、Mayo ClinicでSundt先生のマイクロの助手をしている時に、その息遣いを聞いた時に、脳神経外科を選んで良かったと本当に思えたのを覚えています。

全く健康に気を使っていないと自他共に思われております自分の言うことですので、付け焼き刃で説得力がないですが、少し呼吸法に気をつけて日常の所作をしてみてはいかがでしょうか?

ちなみに金栗四三の言葉は 「体力・気力・努力」だそうです。

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