学校法人日本医科大学
日本医科大学 脳神経外科学教室 Nippon Medical School Department of Neurological Surgery
前部長のつぶやき

ファンタジーとコンピューター

今朝のNHKラジオ サタデーエッセイで養老孟司先生がファンタージーについて話をされていた。養老先生は私が医学生であった頃大学で教鞭をとられており、人気の先生でよく学生を集めてはお酒を飲み、最後には「カスバの女」を歌われるのが常であった。

今日の話は最近寝る前に読む本のことであった。よく軽い読み物でファンタジーを読むという。それも英語でほとんどは読まれるという。ファンタジーの英語はそれほど難しくないし、難しい単語が出てきても辞書を引かないでも理解できるとのことだった。ファンタジーいわゆるおとぎ話とかSFである。米国で有名なのはSpidermanとかSupermanとかBatman、ヨーロッパであればアンデルセンのおとぎ話やハリーポッターなどである。共通事項は大体、能力が普通とは違う人(たちの集団)が出てきて、勧善懲悪をしたり、一方で、悪巧みする人たちで、その人を普通の人がやっつけるなどの話が多いという。米国の特徴は一人の超能力人間が出てくることが多いのは皆さんも周知の事実だ。

今読書が廃れている。それはあまりにも文学が高尚を望みすぎ、難しくなり、意味がわかったんだか、感情移入できたんだかわからないで終わることが多いからではないかと言う。一方であまりにも幼稚で荒唐無稽であれば、ファンタジーも廃れる。そこに出てきたのがハリーポッターであり、ワクワクする期待感があると言う(私は映画しか見ていないのでよくわからないが、一度読んでみようと思う)。コンピューターの社会では余裕がなく、夢がない。四角四面で決められたことを極めて能率的に行える。今コンピューターやIT技術のなくなった世界は考えられないであろう。一方で人間は、ワクワクするような高揚感をいつもどこかで求めている。それを埋めたのがハリーポッターであり、ファンタジーであり、今の高級文学ではないと言う。いまの文学には、人間のワクワクを満たしてくれる要素がなく、コンピューター社会の張り詰めた空気を癒してくれるものにはなっていないと言う。

先日日展に久しぶりに行った。芸術も高級なもの(ちょっと理解に苦しむもの)もあるが、本当に心を和ませるものもある。純粋な少女(思春期くらいの)の絵、祭りでの子供絵、何か昔のほんのりとした時間を思い出させ、違う空間へ連れて行ってくれる。私はあまり読書家ではないので、本は読まない方であるが、絵画は好きである。

以前ITのことを書いた。今後コンピューターに指示(?)され、下手をすると支配される時代が来るかもしれない。そのような時に備えなければならないのは、人間の感情の豊かさや夢ではないかと思う。当然機械を支配する能力と知恵、技術を備えてのことである。

時には忙しい臨床や研究を忘れ、お酒や美食に走らず、本当の意味で心の肥やしになることを楽しみましょう。

日展2017 洋画部門特選の作品(すみません作者知りません)

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