学校法人日本医科大学
日本医科大学 脳神経外科学教室 Nippon Medical School Department of Neurological Surgery
前部長のつぶやき

2014年度 新年度を迎えて。研修医教育のお願い。

皆様 桜の美しい季節になってまいりました。大学周辺でもお寺というお寺には桜があり、公園も桜を中心とした公園が多くあります。千駄木からほど近い六義園ではしだれ桜が満開で、先週末は夜桜を一目見ようと100mをこす長蛇の入場待ちでした。

さて桜はさておき、診療報酬も改訂され、さらに医療には厳しい風が吹いております。そのような中でも当教室にも新たに2名の新教室員が加わりました。前期研修を終えた築山先生とNTT関東病院プログラムから転入した野崎先生です。皆様是非教育をお願いいたします。

また来年度には新たな教室員が参加してくれるようぜひ教育環境を整えたいと思います。

そこで新年度にむけて3つのことをご提案したいと思います。

1) チーム毎また全体での術前・後のカンファランス(ミーティング)の充実;

術前の治療方針、体位、解剖などについて時間をとって検討する機会をもうける。上級医が当たり前と思ってやっていることをそのまま過ごしてしまうと若手には勉強になりません。なぜそうするのか、なぜこのような体位・アプローチで手術をするのかを示す。可能なら若手は手術予測図などを書く。術後にはビデオなどをしっかりみて検討会をする。開催のタイミングなどに関しては各チームに任せますが、このネタを合同カンファランスでしてもよいと思います。(瓜生先生の当科に対する感想でした)

2) M&Mカンファランスの徹底:

まだシステマティックにはM&Mを開催されていない施設も多いと思います。数ヶ月に一度でもよいので、ぜひM&Mカンファランスを開催し、その原因の追求と再発防止の検証をお願いいたします。ただ手術の質や対応を責めるのではなく、より良く改善できる道を求めて下さい。その上で、ぜひ年2回程度は各施設での問題症例を数例ずつ持ち寄り、合同M&Mを行いたいと思います。後ろ向きと思わす。合併症をぜひ前向きに対処できるよう。成長に生かせるようにしたいと思います。

3) 若手の非受け持ち患者手術への積極的見学と参加:

病棟業務をしっかりすることは当然の義務ですが、当該施設で行われている手術は自分のチームの手術でなくても、積極的に見に行き、その現場で何がおこっているのか?どのようなセットアップで手術しているのかを 5分でも10分でもよいので、場の雰囲気(環境)を体感してください。「脳外科医は手術を実際に現場でみてなんぼ」の世界であり、いくらマイクロのビデオをみても実際にその手術はできません。現場で術者がしていること。どのような姿勢で手術をしているのか?何が困難なところかを知ること。それが重要です。100本ビデオをみるよりも1回手術現場を見学するほうが、たとえ手洗いしなくてもためになります。脳外科医の魂は手術室と病棟にあります。したがってもし千駄木にいる研修医であれば、外勤があるにして、少なくとも年間200件の手術は手洗いまたは見学(10分でも見学は見学)できることになります。そしてその記録を残してください。将来の自分が対する疾患への「引き出し」を多くもつことです。また上級医は受け持ちでなくてもしっかり術場教育をし、もし手が足りなかったら手洗いさせて下さい。

皆様、明日の日本医大のため是非教育をお願いいたします。

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