学校法人日本医科大学
日本医科大学 脳神経外科学教室 Nippon Medical School Department of Neurological Surgery
研修医座談会~本音を語る~

現役研修医として活躍する勤務2年目、1年目の3名に集まってもらい、
日本医科大学付属病院を選んだ理由はもちろん、
研修医としての仕事の様子やプライベートなど、
働くうえで気になることを本音で語り合っていただきました。
ここでは、そのときの様子をご紹介します。

松本 成未(まつもと なるみ)先生 

日本医科大学出身/令和4年卒 

専攻1年目 千駄木勤務

鶴谷 (つるや)美紅(つるや みく)先生 

日本医科大学出身/令和4年卒 

専攻1年目 北総病院勤務

藤田 寛明(ふじた ひろあき)(ひろあき)先生 

日本医科大学出身/令和3年卒 

専攻2年目 北総病院勤務

医師を目指したきっかけと日本医科大学付属病院を選んだ理由

―まずは医師を目指したきっかけを教えてください。

「人の命に関わる仕事に就きたい」という思いから医師を志すようになりました。もともと災害医療に興味があったので、災害救急に強い日本医科大学へ進学。その後、初期研修を通じて、脳神経外科への関心が高まり、この分野を目指すことを決意しました。

私が医師を目指すようになったのは、「人の役に立てる仕事がしたい」と考えていたことと、それに加えて、文系よりも理系が得意だったことが背景にあります。やがて大学に進学し、学ぶうちに脳神経外科に興味を持つようになりました。また学生実習で手術を見たときに感動したことから、手術の多いこの分野を選んだのです。

私の場合は高校時代、「人体って面白いな」と思ったことがきっかけで医師を目指すようになりました。

―なぜ日本医科大学付属病院を選んだのでしょうか。

群馬県にある病院で初期研修を経験した後、真剣に進路を考えるようになりました。どこで働いたとしても、医師の仕事は容易なものではありませんが、顔見知りの先生や同級生が多い環境の方が安心ですし心強いと考え、出身大学の付属病院を選びました。実際に入局してみると卒業大学は様々ですが、皆、和気あいあいとしています。日本医大全体に言える事だと思うのですが、所謂「学閥」的なものは全くないですね。

私は働く前に日本医科大学付属病院を見学に訪れたことがありました。そのときに指導医の先生方が親身になって丁寧な指導をしてくれることに安心感を覚えたのが一番大きな理由でした。また手術を見学したとき、技術の高さに感動。このような先生たちの指導のもとで働き、学びたいと強く思うようになりました。

日本医科大学付属病院は、脳神経外科の中でも各分野のトップレベルの専門医がそろっています。脳は部位によって必要な知識や技術が異なるのですが、日本医科大学付属病院なら研修をしている間に、千駄木や日本医科大学 北総病院・多摩永山病院・武蔵小杉病院など4カ所を回り、それぞれの専門分野に関する知識を学べることが魅力でした。ここなら間違いないと確信しましたね。

研修の中身について

―研修について教えていただけますか。

私たち研修医は、4つの大学付属病院とその連携施設をローテーションしながら経験を積んでいきます。専門医の資格を取得するまでの4年間、異なる施設で研修を行い、各分野の専門医のもとで学んでいきます。
私の場合、初期研修は群馬にある病院で行った後、日本医科大学付属病院の脳神経外科での研修を開始しました。病棟内での困り事、例えば、患者さんから「頭痛がある」「調子がおかしい」などのように相談を受ける、もしくは変わった様子があればすぐに駆けつけます。手術では指導を受けながら、穿頭術、開頭術の執刀、1年目終了時には開頭血腫除去などの顕微鏡手術も執刀させて頂き自分の成長を感じて、やりがいを感じています。

私は現在、千葉北総病院で研修に従事しています。この病院では救急患者の対応が多い環境で、貴重な経験を数多く積んでいます。救命医療の現場では搬送されてきた患者様の診察や処置、手術に加えて、ご家族とのコミュニケーションにおいても重要な役割を担っています。大切な判断をご家族にお願いしないといけないケースもあり、日々、心をくだきながらお話をするように心がけています。

私も鶴谷さんと同じく、千葉北総病院で勤務しています。研修1年目は千駄木の病院で過ごし、2年目に千葉北総病院へ移りました。現在、脳神経外科救急を中心に経験を積んでいるところです。一般的に研修医のキャリアとしては、2年間の初期研修を受けた後、専門医取得を目指してさらに経験を積むという流れになります。緊急手術を中心に執刀の機会を多く与えていただき、血腫除去やクリッピング術は指導医の先生のもと、徐々に完遂できるようになってきて、とてもやりがいを感じています。この春からは多摩永山病院で研修する予定で、また新しい経験を楽しみにしています。

病棟業務では患者様とフレンドリーなコミュニケーションを大切にしています。医師として距離感を縮めることで、患者様が体調の不調があったときに相談しやすい環境を作ることを意識しています。また手術の準備やカンファレンスの資料作成なども重要な業務です。手術前のカンファレンスでは術中画像のイラストを作成しています。カンファレンスでキー画像や自分で描いたイラストや指導医の先生にみてもらい、さらに術後にも自分の手技や手術動画を見直すことで、徐々に手術解剖の知識、手術手技が向上しているように感じます。

救急対応が多い千葉北総病院では手術技術の習得だけでなく、瞬時の判断力や診断力を養う機会が数多くあるのでやりがいがあります。


日々の業務では、病棟管理や救急対応を行いながら手術に参加しています。救急車の搬送状況や患者様の状態によって勤務時間は大きく変動します。緊急手術が続くことも、時にありそのような場合には病院に泊まるケースもあります。

日本医科大学付属病院では研修5年目には専門医試験を受験できる仕組みになっています。研修中は知識の習得や技術の向上だけでなく、患者様とのコミュニケーションの取り方などのような医師として求められる総合的なスキルを磨くことができると実感しています。

プライベートは?

―プライベートの時間は何をしているのでしょうか。

日々、忙しく走り回っていますが、時間が少しでもできると自宅でゆっくりと長風呂をしながらマンガを読むことでリフレッシュしています。格闘系のマンガが好きなのですが、最近は特に『チェンソーマン』(集英社)がお気に入りです。

私は病院から車で15~20分ほど離れた場所に住んでいます。プライベートの時間はたまった洗濯物を洗ったり、必要なものをスーパーに買い出しに出かけたりするなど、生活のリズムを整えることを優先しています。仕事がない日にはできるだけ早めに就寝するようにも心がけています。

今、私は単身赴任中で、家族と離れて暮らしています。妻は同じく医者なのですが、最近出産したばかり。里帰り出産をして生後3カ月の赤ちゃんを実家で育ててくれています。比較的早く帰れる日には、先輩や同僚とサウナに行ったり、飲みに行ったりしてリフレッシュ。お気に入りのサウナがあるので、仕事の合間に心身を整えるのが目下のところ日課になっています。

―ワークライフバランスはいかがでしょうか。

大学で週一回のペースで当直をしています。カンファレンスの前日には患者様の病歴や画像の所見、手術のイラスト描画などプレゼン資料作成に追われ、夜遅くまで準備することもありますが、それでも趣味の時間を大切にしてリラックスするようにしています。

緊急手術が多い時がありますが、落ち着いていれば、19時頃には帰宅します。勤務時間が不規則な事があるので、休めるときにはしっかりと休むように意識しています。
   

現在、研修2年目ですが、仕事にも慣れてきて余裕が生まれてきました。また1週間程度のまとまった休暇を取得することができます。実際、私は結婚してハワイへ新婚旅行に行くために休暇を取得しました。
 

入局前後のギャップと後輩へのメッセージ

―働く前と実際に働き始めた後のイメージのギャップがあれば教えてください。

働く前は、教授や上級医との距離が遠いように感じていましたが、実際に入局してみると、先生方はとてもフランクに指導してくれました。カンファレンスでも、時に鋭い指摘が入りますが、人の命が関わるからからこそ、愛情と熱意を持っている事が伝わってきます。また、皆、仲が良く相談しやすい雰囲気なので困り事があったときにも一人で抱え込むような心配もありません。

一般的に脳神経外科の医師は、厳格な専門家というイメージがありました。しかし松本先生がおっしゃった通り、日本医大の医局の先生方はとても優しく、手厚い指導をしてくれることに驚きました。特に脳神経外科という専門性の高い分野だからでしょうか、熱意を持った先生が多く、サポート環境が整っているのでありがたいです。

他のふたりと同じく、私も脳神経外科の先生は厳しいのでは?という先入観がありました。ですが入局後は患者さんの治療、繊細な手術に携わる事からくる指導医の熱意、研修医に対する指導への愛情を理解しました。それに先生方と日々、接する中で人間味あふれる一面に触れるたび、前のイメージは変わりましたね

―仕事のやりがいについて教えていただけますか。

2カ月間、意識が戻らなかった患者様が突然目を覚まし、普通に会話をし、ご飯を食べ始めたときには驚きましたし、やりがいを感じましたね。
医療の現場では、回復の兆しが見えないこともありますが、こうした奇跡のような回復を目の当たりにすることがあります。ほかにもリハビリを経て、自力で歩いて外来に来てくれる患者様とお会いすると、これまでの努力が報われたように感じます。

私が勤める千葉北総病院では緊急搬送されてくる患者様が多いのですが、回復された後、「ありがとうございました!」と直接、感謝の言葉を伝えてくださるときにはうれしいですね。特に救命救急の現場では、最初は意識がなく危険な状態で運ばれてくる患者様が多いのですが、治療を経て元気になって退院していく姿を見られることが何よりも大きなやりがいになっています。

救急患者様の治療ではご家族とコミュニケーションを取りながら進めていきます。脳神経外科では、命に関わる厳しい状態で運ばれてきた患者様と向き合うことが多いのですが、シビアな状況下で最善の治療を尽くし、回復したときの姿を見ると何物にも代えがたい達成感を得られますね。

―最後に日本医科大学付属病院を目指す後輩に向けてメッセージをお願いします。

脳神経外科の世界は厳しいと思われがちですが、日本医大の指導医の先生方は情熱があって、とても若手に親身ですし、働く環境も整っています。脳神経外科を目指したい!と考えている先生は安心して入局して頂き、ぜひ一緒に頑張りましょう。

働く前は自分の体力に自信がなくて、少し不安でした。始まってみると、周囲の方々がサポートしてくれますし、様々な働く環境が整っているので安心して働く事ができています。興味がある事に多く挑戦できますし、時に大変なことも仲間と共に乗り越えていけています。

日本医科大学付属病院では、専門医試験を受ける前に1カ月間の勉強休暇が取れるのも魅力です。他の病院では働きながら試験に備える研修医も多いと聞いていますので、その点も恵まれていると思います。それに海外研修や留学の支援が充実しているので、さまざまな国で優れた医療を学ぶチャンスも。少しでも興味があれば、チャレンジしてください。

皆さん、本日はお忙しいところ、ありがとうございました!

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