ご自身のこれまでの臨床経験について教えて下さい
2015年に日本医科大学付属病院脳神経外科の医局に入局し、千葉北総病院にて後期研修を開始しました。千葉北総病院は救命救急科がドクターヘリを所有することからも救急疾患が多く、頭部外傷、脳血管障害を始めとした緊急手術を数多く経験することが出来ました。最初はわからないことも多く、緊急時の周りのスピードついていくことに必死でしたが、徐々にやるべきことや患者さんの状態の見方等もわかるようになり、落ち着いて対応できるようになりました。また、手の空いている医局の先生方がすぐに集まりサポートして下さり、コメディカルも積極的に声をかけてくれる環境であったことも相談しやすく非常に働きやすかった要因と考えています。2017年からは附属病院に移動し、脳血管障害に加え脳腫瘍や下垂体、脊髄疾患等、幅広く脳神経外科領域の疾患に携わることが出来ました。附属病院では脳卒中は脳卒中集中治療科が初療対応を行い、手術加療が必要となるものは当科へ相談が来るという形をとっています。救命救急科にも脳神経外科班があり、3次救急で搬送されるものは一部救命救急科が対応をするなど、同じ疾患を3科で診察していることから、3科合同のカンファレンスを行い、治療方針に関する意見等を多角的な視点から相談することも出来ます。
現在はどのような活動をされていますか?
現在は社会人大学生という枠組みで臨床業務を行いつつ、神経内科の医師に指導を受けながら脳梗塞モデルのラットの作成を行い、既存薬剤の脳梗塞への影響の検討を行っています。学生時代以来の基礎の実験操作や標本作成に四苦八苦していますが、臨床を行っているだけではなかなか得られない経験をすることが出来て非常にありがたいと思っています。
臨床では徐々に若手とは言えない学年ともなり、緊急手術を含め数多くの症例を経験し、術者として治療のプランニングを行い、必要な検査が十分に行われているか、患者さんにとって最適な治療方法は何か等、主体的に考えて動かなければならないことが多く責任感を感じる場面が増えてきました。周囲の先輩方に相談をしながら日々勉強をさせて頂いています。
今後の夢はなんですか?
今後、脳血管障害の中でも「もやもや病」に関して専門性をもって治療にあたっていきたいと考えています。疾患理解も当然ですが、学会等に参加し最新の知見を学び、臨床研究等も行いながら、患者さんが最適な治療を受けられるように努力していきたいと思います。