脳神経血管内治療学会専門医試験体験記

教室員名
中川俊祐

 日本医科大学武蔵小杉病院脳神経外科の中川俊祐です。卒後11年目になります。

2020年2月27日~3月1日に行われました第19回脳神経血管内治療学会専門医試験を受験いたしましたのでご報告させていただきます。

近年脳卒中診療における血栓回収術の発展、更に2年間、国立循環器病研究センターへの国内留学で血管内治療の奥深さを知るにつれ、血管内専門医を取得したいと思うようになりました。

ここ数年合格率50%前後で推移する厳しい専門医試験でもあります。国立循環器病研究センターでの経験を頼りに、また受験時の所属先部長の樋口先生より試験勉強に融通をかなりつけていただき、過去問やCEPのテキストの復習、デバイスの知識の確認をメインに兎にも角にもできることを直前まであきらめない姿勢でやり続けました。

初日は筆記試験です。試験問題は予想通りとても難しいものでした。全く歯が立たない問題も多数ありましたが、冷静に焦ることなく知識を総動員させました。血管内治療の王道の思考回路からそれないようにすること、これが大切かと思います。無事乗り切ることができました。

口頭実技試問は2月29日でした。筆記試験より更にハードルが高い印象があり、とても緊張しました。A関門の動脈瘤の設問は詰まるところなく過ぎましたが、dAVFの設問はかなり返答に窮し、厳しいかと思いましたがとりあえず最後までは行けたようです。B関門のデバイスセッションはハンズオンなど対策の甲斐もあり概ね問題なく進みました。C関門はイヴの特性か、カテのジャンプアップが度々見られここをどう採点されるか不安でしたがコイルを最後まで巻き切り終了となりました。3つの関門をとにかく最後まで遂行させることに心血を注ぎました。

3月1日無事合格を確認することができました。今回の受験に際し、国内留学を御許可下さった森田教授、試験勉強を最優先してくださった樋口先生、様々に取り計らいをしていただいた日本医大脳神経外科医局の先生方、髙橋部長・佐藤医長をはじめ国立循環器病研究センターで熱心に御指導していただいた先生方、沢山のサポートをしてくださった業者の方々、全ての方に厚く御礼を申し上げます。これからもより一層努力していきたいと思っております。