日本医科大学脳神経外科学教室
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日本医科大学 脳神経外科学教室
〒113-8603
東京都文京区千駄木1-1-5
TEL.03-3822-2131(内線6663)
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FAX.03-5685-0986
E-mail:neurosurgery@nms.ac.jp


Department of Neurological Surgery
Nippon Medical School
1-1-5, Sendagi, Bunkyo-ku
Tokyo 113-8603 JAPAN
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研究活動について

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我々専門外科医が行う研究として、あくまでも臨床活動の中からえられたモチーフを探求することに主眼を置いております。


間脳下垂体研究グループ

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間脳下垂体部腫瘍の臨床内分泌学的分析および下垂体腺腫の機能的病理(免疫組織化学・分子病理学)を主たる課題として活動しています。この領域において幅広く研究を展開し続け、現在の間脳下垂体腫瘍に関する優秀な研究者により世界に誇るべき研究成果を数多く発信してきました。

 

下垂体腫瘍の治療件数(平成15年は100件以上)は本邦で最も多いうえ、第3内科、第1生理、第2生理の各教室や老研の一部門も間脳・下垂体の内分泌学をテーマとしており、研究活動やカンファランス等協力体制が整っています。外部の研究機関としては、東海大学病理および東京大学内分泌内科と共同研究を行っています。

脳腫瘍基礎研究グループ

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培養細胞は下垂体腺腫以外にも悪性グリオーマや血管内皮細胞も扱うので、希望により悪性グリオーマの血管新生、細胞浸潤、細胞外微小研究の病態といった分野にも研究を展開してきました。脳腫瘍は講義では脳卒中とはわけられていますが、実際には毛細血管の破綻により出血をおこす脳卒中のような発症をする事がよくあります。その機構について腫瘍細胞の浸潤、組織酸素分圧の変化、細胞骨格の特異性などに注目してきました。一方下垂体腺腫もホルモン分泌の制御機構もありますが、我々は下垂体卒中や下垂体ホルモンとは別個の細胞増殖や周辺組織への進展にも目を向けて、細胞内シグナルの解明を分子生物や細胞免疫組織学といった観点から研究をしてきたため、本邦でもユニークな研究グループに育っています。
下垂体腫瘍の治療件数(およそ年間200症例)は本邦で最も多いので以前はグリオーマが研究対象でしたが、最近は下垂体腺腫の基礎研究を中心に行い、毎年文部科学省の科学研究助成費を取得して研究にあたっています。研究リーダーは附属病院吉田大蔵准教授であり、おもに大学院生の博士論文の指導に当たっています。大学院卒業後も連絡を取り合い、臨床の現場に戻っても臨床研究を遂行する上での医療統計や英文論文の書き方についてお互いに切磋琢磨しています。我々の研究の基本は「臨床上疑問に思ったことを基礎研究で確かめ、さらに深い理解をえる。」といったことに尽きます。
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脳血管障害研究グループ
脳動脈瘤手術や、血行再建術におけるICG血管撮影を用いた脳血流評価のモニタリングなどの手術の安全性の高める為のモニタリングや手術手技の研究を行っております。また、治療困難な巨大脳動脈瘤を中心とした内頸動脈病変に対する撓骨動脈グラフト手術ではグラフト血管の狭窄や、捻れを防止する為の手術手技の開発、適切な吻合血管選択の為のICG血管撮影を用いた評価法等を本邦有数の多数例の経験から報告して参りました。また、再建した脳血管の血流量、環流範囲に関してもMRI血流イメージを用いて評価しています。もやもや病に関しては複合血行再建術を行い、良好な血流改善の結果を得ています。

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【最近の論文】
(1)Tamaki T, et. al. Observation of vocal fold and pharyngeal paralysis after carotid endarterectomy using a magnifying laryngoscope. World J Surg. 2013; 37(4): 911-4.

(2)Tamaki T, et. al. Vagus nerve neuromonitoring during carotid endarterectomy. Perspect Vasc Surg Endovasc Ther. 2013 ; 24(3): 137-40.

(3)Murai Y, et al. Ischemic complications after radial artery grafting and aneurysmal trapping for ruptured internal carotid artery anterior wall aneurysm. World Neurosurg. 2012;77(1):166-71.

頸動脈内膜剥離術(CEA)は細い頚部の血管を広げて脳梗塞を予防する手術です。この手術は長い歴史を有し当教室の成績は周術期脳卒中発症率が約1.2%、死亡率が0.5%と良好です(▷頸動脈内膜摘出術について)。しかし頚部には大事な神経が多数存在し、障害されると声がれや嚥下障害をきたすこともあります、我々は様々なモニタリングを用い神経の保護に力を注いでおります。また創部出血(傷の腫れ)の予防や綺麗な手術創形成の工夫をしております。これらの研究はいずれも、直接的に患者様の治療の安全に寄与する手技、モニタリングであり、将来的な可能性を求めるものではなく、今現在の患者様に応用され、安全な手術に寄与しています。
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脊椎・脊髄・末梢神経研究グループ
侵襲の高い脊椎・脊髄外科手術をより安全に、確実に、また低侵襲に行うよう研究を重ねております。頚椎前方手術に関しては、骨盤の骨や金属を使わず患者さんの局所の骨だけで手術を行えるWilliams-Isu法の臨床研究を行い、多くの国際誌で評価されています。頚椎後方手術に関しては、高齢者でも負担の少ない手術法を駆使し、学術的にも評価を受けています。腰椎手術に関しては、金属固定をせずとも低侵襲に良好な成績が得られるよう工夫し、学術的に国内外の評価を得ております。

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▲Williams-Isu法の手術法
採取した椎体を前方固定に用いる。図はセラミックを挟んだサンドウィッチ法。脱転防止のため吸収性スクリューを併用。
▲上臀皮神経の走行。同神経の障害により同部の痛み(腰痛)が出現する。
末梢神経障害に関しては、一般的に治療されているとは言い難い上臀皮神経障害や足根管症候群の治療を行いながら、それらの病態解明に関する研究を行っております。上臀皮神経障害は、あまりしられていませんが、腰痛を引き起こす原因の1つであり、難治性腰痛の一部を治療できる可能性があります。また、足根管症候群は足底のしびれ、痛み、冷えを起こしますが、特に糖尿病の患者さんに多くみられます。このような疾患の研究を通して、低侵襲で確実な治療を行えるよう、努力して参ります。
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疫学研究グループ
脳神経疾患の治療を進歩させるためには その病気の自然歴を調査するコホート研究や、治療の優劣を決定するランダム化比較試験等の大規模な臨床研究を企画・組み立て、推進することが極めて重要です。現在日本では未破裂脳動脈瘤、くも膜下出血、血管内治療、脳腫瘍の登録研究などのデータを集積しています。本研究チームでは統計解析グループとの綿密な連携をはかり重要な脳神経疾患(脳血管障害/脳腫瘍/てんかん/脊髄疾患)に関する大規模臨床研究を企画・推進してゆきたいと思います。

figure_ekigaku ▲日本未破裂脳動脈瘤悉皆調査(UCAS Japan) 自然歴調査結果
N Engl J Med 2012; 366:2474-2482に掲載

当教室では広い範囲の臨床を行ってきており、特に下垂体は日本で1、2を争う治療数を誇ります。さらに森田はこれまで長年日本における未破裂脳動脈瘤の疫学調査(UCAS Japan上記)を取りまとめて参りました。国際的な脳内出血ランダム化試験STICH II、未破裂脳動脈瘤コンセンサス研究(UIATS)などにも参加してまいりました。臨床疫学を駆使した研究チームを作って参ります。

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神経内視鏡研究グループ
神経内視鏡手術は現在当初脳室内の異常や水頭症の治療などに主に用いられていました。しかし最近は下垂体腫瘍の手術や頭蓋底の手術では顕微鏡を補助しまたそれに代わる装置として認められるようになってきました。しかし神経内視鏡手術では狭い術野で繊細かつ正確な操作を行う必要があります。よし安全、正確な手術を行うために、この手術に特化した道具や技術が必要となります。
*注意:動画には手術中の出血等が含まれております。
        *注意:動画には手術中の出血等が含まれております。
我々は内視鏡下手術の技術や道具の開発を行い、手術の安全性や確実性の向上に努めています。例として、腫瘍摘出後の閉鎖のために硬膜縫合を行いますが、使用する道具「深部縫合持針器」と結紮のためのテクニック「Easy slip-knot」(Acta Neurochir 2011;153:1543-5)を開発しました。これらにより煩雑であった手技が簡便化され、髄液漏を完全に防ぐことができます。また本年加わった森田は内視鏡ホルダー一体型機器Endoarm(▷エンドアーム紹介ページ)の開発に協力しました(Neurosurgery 2004; 55:926-31)/ 。本機器は当院の手術で必須の機器となっています。また吉田製作所と共に下垂体腺腫摘出後評価などに用いることの出来る小型術中MRI装置 Vesaliusの開発にも携わっています (▷ヴェサリウス スイート紹介ページ)。

機能再建研究グループ

機能再建研究

脳神経は一旦機能を失うと機能が差制されることが少なく、失われた機能は生活の質を大きく低下します。現在国内外で様々な方法で神経機能を再建する試みがなされています。その中でも当教室では特にコンピューター(機器)と脳を結合する技術(脳—コンピューターインターフェース)に注目し、失われた脳の機能(特に聴覚や視覚など)の再建を目指す研究を行います。本学システム生理学金田研究室や他大学と協力してラット等の小動物を用いた機能再建研究を行い、臨床に応用できる機器開発をめざします。「10年後には新しい医療を!」を目指して努力します。
本グループは2013年度より新たに立ち上げるプロジェクトチームです。聴覚インプラントの臨床を早期から手がけ頭蓋底手術を専門にする森田をプロジェクトリーダとして、脳腫瘍手術で脳のマッピングに卓越した山口講師、てんかん/パーキンソンなどの機能外科を専門とする太組講師をサブリーダー、それに間脳下垂体手術に卓越した田原講師、石井講師などをメンバーに加えて教室の一大プロジェクトとして推進します。基礎研究室、他大学との連携をおこないつつ、成果をあげてゆきたいと思います。
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MICROSURGERY ROBOTICS開発研究グループ
脳神経外科手術の領域では、手術が高度化しさらに予後のよい、低侵襲な手術がのぞまれている。そこで工学やロボット技術を応用して人間の手ではできないような手術を可能にすること。マスターだけが出来るような卓越した手術を比較的平均的な術者が安全に出来るようにすること。より小さな孔で手術ができるようにする低侵襲手術を可能にする試みがされてきた。現在12cmの深さでも1mm未満の血管を縫合するrobotや0.3mmの血管を縫合できるrobotを開発した。今後臨床応用に進めてゆく。また微小手術技術を工学的システムを用いて客観的に解析し教育にやくだてるシステムを開発している。
 ▲Universal Ultra-MicroSurgery Robotic System                   ▲Offset Microsurgical system
本プロジェクトは森田が2001年から東京大学工学部光石研究室と続けてきたプロジェクトであり、今後も東京大学の連携で継続する。研究室は東京大学医工連携研究室にある。今後当教室の専門領域でもある内視鏡下頭蓋底手術に特化したシステムなどの開発をめざす。
詳細は下記ご参照下さい。
東京大学医工連携部 脳神経外科微小外科プロジェクト
森田研究ページ
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整容脳神経外科治療開発研究グループ
脳神経外科手術後患者さんの整容を治療に取り組もうという啓発活動です。おでこが凹んでいる、など術後整容にお悩みの患者さんを良くすることが目的ですが、どのようにすれば通常脳神経外科手術において整容面での問題が起こらないのかを研究・開発するチームでもあります。形成外科・精神科・耳鼻科・リハビ リテーション科など各科のスペシャリストと相談しながら、患者さんお一人お一人に必要な医療チームを組織します。

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私たちは手術後の傷あとが残らないようなあらゆる工夫をしておりますが、整容脳神経外科的アプローチを通してより満足度の高い医療を提供したいと考えています。日本医科大学では平成18年に『頭のきずあと外来』を脳神経外科専門外来として開設しましたが、他の病院で手術を受けられた患者さまの術後の整容的 問題も積極的に対処しております。『整容脳神経外科』はあくまでも脳神経外科疾患に起因する病態に行うものであり、この点がいわゆる美容外科と根本的に異なる点です。『整容脳神経外科』は、日本発の概念です。
詳細は下記ご参照下さい。
日本整容脳神経外科研究会
「脳神経外科手術の術後整容を考える」 週刊医学界新聞 第2906号
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